クリシュナの献身者は神への愛を育む方法、そして愛を表す方法として、献身奉仕を行います。献身奉仕とはそもそも何を指すのか、神様にどうすれば仕えることができるのか? 今回は経典に述べられている献身奉仕の9つのプロセスについて紹介します。
バクティ・ヨガを行う献身者はクリシュナについて知ることだけではなく、クリシュナに近づく方法も知っています。その方法こそが献身奉仕です。シュリーマド・バーガヴァタムの第7篇には献身奉仕の9つの方法について述べられています。
プラフラーダ・マハーラージャはこう言っています。主ヴィシュヌの超越的な聖なる御名、姿、質、品々、遊戯を聞いて、唱えること、それらを思い出すこと、主の蓮華の御足に仕えること、16種類の品々で主に敬意ある崇拝を捧げること、主に祈りを捧げること、主の僕になること、主を最愛の友人として思うこと、全てを主に捧げること、つまり体、心、言葉を通して主に仕えること ー これら9つの方法が純粋な献身奉仕として受け入れられています。この9つの方法を通してクリシュナへの奉仕に人生を捧げた者は、完全なる知識を手に入れたため、最も学識ある人間として受け入れられるべきです。
ー シュリーマド・バーガヴァタム 7.5.23-24
まとめると、9つのプロセスは以下の通りです。
聞くこと sravanam
唱えること kirtanam
思い出すこと visnu smaranam
蓮華の御足に仕えること pada sevanam
崇拝すること arcanam
祈ること vandanam
僕になること dasyam
最愛の友として思うこと sakhyam
身を委ね、全てを捧げること atma nivedanam
ルーパ・ゴスヴァーミーによるバクティ・ラサムリタ・シンドゥ(献身奉仕 喜びの海)にはこれらの献身奉仕のプロセスの一つを通して、完成を得た人格の例が挙げられています。
聞くこと
シュリーマド・バーガヴァタムの聞き手であるマハーラージャ・パリークシットは人生の最後の七日間、途絶えることなくバーガヴァタムを聴き続けました。
唱えること
シュカデーヴァ・ゴースヴァーミーはパリークシット王にバーガヴァタムを語り、完成を得ました。
思い出すこと
シュリーマド・バーガヴァタムの第7巻に登場するプラフラーダ・マハラージャは父親のヒランニャカシプに拷問を受けていたにもかかわらず、クリシュナのことを決して忘れることはありませんでした。
蓮華の御足に仕えること
幸運の女神ラクシュミーは常に主の蓮華の御足をマッサージしたり、食事を作ったり、あおいだり、主に仕えています。
崇拝すること
シュリーマド・バーガヴァタムの第4巻で登場するマハーラージャ・プリトゥは王様としての所有物を全て使い、純粋な献身をもって主を崇拝しました。
祈ること
ヴリンダーヴァナに向かっている際、アクルーラはずっとクリシュナに祈りを捧げていました。
僕になること
シュリーマド・バーガヴァタムの第9巻で登場する主ラーマチャンドラの献身者、ハヌマーンはどんな障害が立ちはだかっても、シュリー・ラーマチャンドラの命令を全うし、主の完璧な僕として仕えました。
最愛の友として思うこと
アルジュナはクリシュナととても親密な仲で、主御自身、アルジュナの馬車の運転士になることをかってでたり、パンダヴァ兄弟をいろいろな方法で助けました。
身を委ね、全てを捧げること
バリ・マハーラージャは精神指導者が反対していたにもかかわらず、シュリー・ヴァマナデーヴァに自身の王国、所有物、そして自分の体も差し出しました。
全部行うなんて無理!?
この9つのプロセスの内、全部でも、少しでも、そしてたった一つでも、行うことで完璧になれます。しかし、この中でも聞くこと、特に正しい情報源から聞くことが最も大切だとされています。献身の種は、聞くことと唱えることのプロセスがなければ、芽吹くことができません。まずは精神的に発展している純粋な魂から超越的な教えを受け取り、それを自分のため、そして他の人のために広める、教える、伝えることが大切です。
シュリー・チャイタニヤ・マハープラブも聞くプロセスを最も強調なさっています。クリシュナについて聞くチャンスさえ与えられれば、人は徐々に神への愛を目覚めさせ、育むことができるとおっしゃっています。
またバクティ・ヨーガにおける権威、シュリーラ・ジーヴァ・ゴースヴァーミーはキールタナ、唱えることも重要だと教えており、アルチャナ(神像崇拝)やヴァンダナ(祈り)など、他のプロセスをキールタナと共に行うことを指示しています。これに従い、イスコンのお寺はアルチャナ、アーラティ、ボーガのお供え、神像の衣装替えの前と後に必ずチャンティングが行われています。
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