今年の8月31日はクリシュナ・ジャンマシュタミー、クリシュナの降誕際です!
クリシュナの誕生
先週も紹介したように、邪悪な王カンサは自分の妹であるデーヴァキーの8番目の子供によって殺されると予言を受けていました。その8番目の子供こそ、クリシュナです。予言を聞いたカンサはデーヴァキーと彼女の夫のヴァースデーヴァを監獄に閉じ込め、デーヴァキーから生まれた子供たちを次々と殺して行きました。
6人の赤ちゃんが生まれてすぐに殺されてしまった後、クリシュナの兄であり、神の完全拡張体であるバララーマがデーヴァキーの胎内に現れるのですが、その後、ヴァースデーヴァのもう一人の妻、ローヒニーの胎内へとうつされます。そして8番目の息子、クリシュナが監獄の中でお生まれになります。
最初に両親の前で現れた際、クリシュナは4本腕のヴィシュヌの姿をお見せになりました。すると母のデーヴァキーはこの姿をみたカンサがクリシュナを傷つけることを恐れ、クリシュナにこのヴィシュヌとしての姿を隠すようにお願いします。
クリシュナは母デーヴァキーの希望に答え、4本腕の姿を隠し、可愛らしい赤ちゃんの姿に変わりました。他の主の素晴らしい姿と同様、この赤ちゃんとしての姿も無限な至福と愛情の源でした。そしてクリシュナをカンサから隠すため、父ヴァスデーヴァは赤ちゃんを抱えてヤムナ川を渡り、ゴークラ・ヴリンダーヴァナという牛飼いたちの村に向かいました。そしてヤショーダとナンダ・マハラージャにクリシュナを託しました。この村で、クリシュナはバララーマと一緒に幼少期を過ごしました。
なぜ神はこの物質世界に降誕なさるのか
私たちと違って、クリシュナは御自身の自由意志でこの世界に降誕なさいます。その降誕の目的はバガヴァッド・ギーターの4章に述べられています。
yada yada hi dharmasya glanir bhavati bharata abhyutthanam adharmasya tadatmanam srijamy aham
宗教が正しく実践されなくなった時 反宗教的な風潮が世にはびこった時 バラタ王の子孫よ 私はいつどこへでも現れる
paritranaya sadhunam
vinashaya ca dushkritam
dharma samsthapanarthaya sambhavami yuge yuge
信心深い者を助け
邪悪な者をこらしめ
宗教原則を再確立するために
私はどの時代にも降臨する
クリシュナの化身の降誕には三つの目的があります。
献身者たちを救う
悪魔たちをこらしめ、取り除く
宗教原則を再確立
自身でおっしゃっているように、クリシュナは献身者たちをカンサなどの邪悪な独裁者から救い、たくさんの悪魔をやっつけ、ダルマに従う敬虔な献身者たちを王座につかせ、宗教原則を再確立なさいました。
ここで、なぜ悪人たちを懲らしめるため、神自身がこの物質世界に降誕するのか、疑問に思うかもしれません。悪人など、自然災害など、物質自然を通して簡単に罰することができるはずです。これに関して、プラブパーダはこのように解説に書いています。
無神論者に関しては、悪魔ラーヴァナやカンサに行ったと同じように、主が直々に手を下す必要はありません。主にはたくさんの有能な代理者がいて、主に変わって悪魔に処罰を下します。しかし悪魔のように欲深な者に苦しめられている純粋な献身者に対しては、その痛みを和らげてやろうと、主御自身が自ら現れてくださいます。
至高主クリシュナは様々な化身を通して、現れます。それらをアヴァターラといいます。プルシャーヴァターラ、グナーヴァターラ、シャクティ・アーヴェーシャ・アヴァターラなど、アヴァターラにも様々な種類があるのですが、すべてのアヴァターラの根源となる原始の主はクリシュナです。純粋な献身者はヴリンダーヴァナで崇高な活動を広げる本来のお姿で主を見たいと切望しています。そんな純粋な献身者に満足を与えるのが降誕の本来の目的です。
クリシュナが降誕なさった一番の理由
主の降誕の理由にはたくさんの理由がありますが、私たちにとって、きっと最も重要なのは、主は魅惑的な遊戯を繰り広げることで、魂たちをすべて御自身に惹きつけている点です。私たちは太鼓昔からこの物質世界でさまよい、純粋な愛情交換を求め、様々な快楽を味わおうとしています。バーガヴァタムの8編24章66節の解説でプラブパーダはこのようにおっしゃっています。「クリシュナの降誕の真の目的は、どのようにして至高人格神との愛情交換に参加できるか、表すことです。」
クリシュナはヴリンダーヴァナで様々な種類の慈悲をお見せになりました。そのひとつが「アヌグラハ」、人々を魅了する慈悲です。クリシュナは御自身の素晴らしい質や活動で私たちを魅了します。私たちのクリシュナに対する感情を呼び覚まし、愛情深い関係を味わえるよう、クリシュナは精神世界から御自身の仲間と品々を連れて降誕なさいます。
クリシュナは私たちをふるさとへと返すために、この物質世界に降誕なさいます。私たちが神の元、ふるさとへと帰ってくるのを望んでいっらしゃるのです。クリシュナ・ジャンマシュタミは私たちがもとの家に戻り、本来の意識、クリシュナ意識を取り戻せるよう、クリシュナが自ら降誕なさったのをお祝いする特別な日なのです。
時々、人は神は私たちのことを見放し、私たちが苦しんでいるのをほっといていると、間違った考えを持つことがあります。しかしクリシュナがこの世界に降誕なさり、愛らしい子供として、そして紳士的な王として永遠の遊戯を繰り広げ、私たちの心を魅了しているのを見れば、私たちに戻ってきて欲しいというクリシュナの強い思いがわかります。
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