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主バララーマの降誕祭




夏のお祭りのトップバッターはバララーマ降誕祭。バララーマはクリシュナのお兄さんで、今年は8月22日に降誕を祝います。


主バララーマとは

至高人格神、クリシュナはあらゆる化身の源であり、主バララーマは最初の拡張体です。クリシュナとバララーマは同一であり、同じ人格なのですが、肌の色が異なります。クリシュナはシャーマスンダラ、雨雲のような黒い肌に対して、バララーマは白い肌をしていらっしゃいます。


バララーマは主クリシュナの超越的な遊戯をサポートする役割を担っており、いつもクリシュナの喜びを第一に考えています。またアディ・グル、つまり原初のスピリチュアル・マスター、精神指導者でもあります。


主バララーマの誕生

クリシュナは物質世界に現れる際、必ずご自身の永遠の交際者と身の回りの品々と共に降誕なさいます。5000年前、クリシュナがこの物質世界に降誕なさった際、バララーマがまずお現れになりました。その誕生はシュリーマド・バーガヴァタムの10篇2章で描かれています。


デーヴァキーの兄、邪悪なカンサは妹から生まれる8番目の子供によって殺されると予言を聞き、デーヴァキーから生まれて来る赤ちゃんを次々と殺して続けていました。6人も赤ちゃんが次々と殺された後、バララーマがデーヴァキーの胎内に七番目の子供として現れました。デーヴァキーはその赤ちゃんが只者ではないと、神聖な子供であると理解し、生まれてきたらカムサに殺されてしまうと不安でした。そんなとき、クリシュナはご自身の内的エネルギーであるヨーガ・マーヤーにこの胎児をデーヴァキーのお腹から、ヴァースデーヴァのもう一人の妻、ローヒニのお腹に移すよう命じました。


このようにして、バララーマはローヒニのお腹の中に移され、ナンダ・マハラージャの保護のもと、ゴークーラで生まれました。名前を与える儀式の時、赤ちゃんはラーマ、つまりあらゆる至福をあたえる者という名前を付けられました。また家族の僧侶であるガルガ・ムニはその赤ちゃんはとても力強いため、バララーマ(バラは力を意味する)としても知られると予言しました。


主バララーマはなぜ、デーヴァキーの胎内にまず宿ったのか

昔、マリーチという聖者がおり、彼は主ブラフマーの息子の一人でした。マリチには6人の息子がいました。6人の息子はある時、主ブラフマーが行ったことを馬鹿にして、笑いました。彼は主ブラフマーを笑うというヴァイシュナヴァ・アパラーダ、冒涜を犯してしまったため、神々としての立場から落ち、悪魔として生まれなくてはなりませんでした。彼らはまずヒランニャカシプの息子たちとして生まれ、その後、ヒランニャカシプの息子、カラネーミの息子たちとして生まれました。ヒランニャカシプは6人が神々に供養の儀式を行っているのを見て、自分以外の者は崇拝されるべきではないと、とても怒りました。そこで、ヒランニャカシプは6人が自らの父親によって殺されると、呪いました。そのため、6人の父親であったカラネーミは来世、カンサとして生まれ、6人はデーヴァキーの息子たちとして生まれ、最終的にカンサに殺されたのです。


アーチャーリヤの解説によると、マリーチは私たちのマインドを象徴しており、6人の息子たちはマインドの反抗的な性質、 kama, krodha, lobha, moha, mada, matsaraー 情欲、怒り、貪欲、妬み、プライド、幻想を表しています。そしてデーヴァーキーの胎内はバクティ、献身を表しています。クリシュナは純粋な献身奉仕の中でしか現れません。これら6つの心の敵を征服した純粋な献身者の中でしか現れないのです。クリシュナが現れる前、マインドの6つの敵が殺されなくてはなりませんでした。そしてこの6人が殺された後、バララーマが胎内に現れました。バララーマの役割は胎内を主にとってふさわしく心地よい場所にすることでした。


バララーマは原初のグルです。主の代表者である精神指導者は私たちにどのようにマインドの6つの敵を征服するのか、教えてくださいます。しかしこれら六つの敵がハートから消えても、クリシュナが現れるのに相応しい場所にするために意識を整える必要があり、そのように意識やマインドを整えて準備するのにも精神指導者の助けが必要です。


また、デーヴァキーのカムサを常に恐れているという行為は、実際に彼女を浄化していました。純粋な献身者は常に物質的な関わりを恐れていなければいけません。デーヴァーキーの胎内はバクティ、献身を表していて、カンサは物質的な恐れを表しています。純粋な献身者が常に物質的な関わりや交際を恐れていると、真のバクティが現れ、自然と物質的な楽しみに興味が失せていきます。マリーチの息子たちがそのような恐れによって殺され、物質的な汚れから解放された時、バクティという胎内に至高人格神が現れるのです。


情欲、怒り、貪欲、妬み、プライド、幻想という六つのマインドの敵が殺された後、主バララーマが至高人格神、主クリシュナにとって相応しい状況と場所を整え、ハートの中にクリシュナが宿ります。


主バララーマのご慈悲

バララーマは原初の精神指導者であるため、精神的向上を望む者はまず主バララーマの慈悲が必要です。クリシュナは私たちに知識という剣を与えてくださります。そしてクリシュナの教えという剣を持つために、グルとクリシュナを仕える時、バララーマがその人に力を与えてくださいます。人はバララーマのご慈悲がなければ、人生のゴールを達成することはできません。


この吉兆な降誕祭にぜひ、クリシュナに仕えられるための精神的な力を授けてもらえるよう、とても慈悲深い主バララーマに祈りましょう。



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