ゴヴァルダン・プージャ
- Hachimitsu Sanga
- Nov 13, 2020
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今年のゴヴァルダンプージャは11月16日に行われます。

これを機に、ゴヴァルダン・プージャのお話とそこから学べるポイントを見ていきましょう。
ある時、ヴリンダーヴァナの住人たちはインドラへの供犠の準備を行っていました。それを見たクリシュナは、「この儀式はなんなのか」、「誰のためにこの供犠を行っているのか」、そして「これを行って何を得るのか」とナンダ・マハラージにお尋ねしました。
ポイント1 何をするにも(特に宗教行事など)その理由を知らなくてはいけない
ナンダ・マハラージはこう答えました。 ー 牛飼いのコミュニティなので、穀物を育て、牛の面倒を見るのにあたって、雨がとても重要。 ー インドラは神々の一人であり、彼が喜ぶと雨が降る。 ー よって、このヤジュナ(供犠)はインドラを喜ばせるため。
ポイント2 誠実で純粋な者は秘密など持つ必要がない
(父は、身内に物事の理由を隠すのではなく、包み隠さず教えるべき)
クリシュナはそこでナンダ・マハラージにインドラへの供犠など必要ないとおっしゃいました。これには少なくとも三つの理由があると解説されています。
Karma mimamsa カルマ・ミマンサ カルマの法則:悪いことをすれば、悪いことが起きる。良いことをすれば良いことが起きると教えるため。いい事だけを行っているナンダ・マハラージャのような人ひは良いことが起きるのだから、わざわざインドラを崇拝する必要はないのだとお伝えしたかった。
Surrender to Me 私に身を委ねよ クリシュナのいる前で神々を拝むことは罪だということを教えるため。 神々は結局はクリシュナから力を与えられており、最終的にはクリシュナの支配下にある。なのでクリシュナを知っている者たちはクリシュナだけを崇拝すれば良い。神々への崇拝を行わないことによる罪など恐れなくていい。 BG 18-66 すべての宗教を捨て ただ私に身を委ねよ。 私がすべての罪の報いから君を救おう。恐れるな。
Krsna’s Mercy Is In Curbing Pride インドラのプライドを抑える 献身者の奢りやプライドを取り除くため。 クリシュナは自分の献身者であるインドラが高い地位にいて、パワーもあり、とても誇り高くなっていることをご存知でした。インドラが自分の献身者だからこそ助けたかったのです。慈悲深いクリシュナはその奢りをどうにか取り除き、彼の心を浄化しようとお考えになりました。
クリシュナは色々と理由を挙げ、ナンダ・マハラージャにインドラ・プージャを止めるよう説得しようとしました。そこで、クリシュナは無神論をも出してきたのです。 「ナンダ・マハラージ、仕事・義務は崇拝です。自分の義務さえこなせば、結果は得られます。神がいようといなかろうと、カルマの法則は働きます。義務さえ正しく行えば、結果は自ずとやってきます。だったら何故ものすごい時間を費やしてインドラを崇拝しようとするのですか?ヴァルナシュラアマ制度では自分の義務をできさえすれば人生の全ての欲が満たされます。ナンダ・マハラージャは牛飼いなのだから牛の飼育をしていれば良いのです。」 ポイント 3 無神論もクリシュナから来ている!
「神に身を委ねたくない」、「神を信じたくない」、「自分が自分の神になりたい」、クリシュナはそう思う人たちに、それを叶える無神論の哲学を与えてくださります。
BG 15-15
私はすべての者のハートに宿り
記憶と知識と忘却を与えている。
全ヴェーダは私を知るためにあり
私こそヴェーダンタの編纂者であり
全ヴェーダを知る者である。
「最終的に全てをどこから授かっているかというと、それはゴーヴァルダナの丘、牛、ブラフマナからです。ゴーヴァルダナの丘は草、それを食べて牛乳を提供する牛、そしてブラフマナからはヴェーダの教えを授けます。だからこの3つを、用意した豪華な品々で崇拝するべきです」とクリシュナはナンダ・マハラージャにお伝えになりました。 ヴリンダーヴァンの住人はとにかくクリシュナを愛しているため、クリシュナが望むことだけを行うつもりでした。彼らは哲学など気にせず、ただクリシュナを喜ばせたいと願っていました。よって、インドラ・プージャのために準備された御供物や品々をゴヴァルダンのプージャに使うことにしました。 住民たちはクリシュナの望みを叶えるために、豪華な品々を用意し、クリシュナの指示通り、山のように大量な御供物をゴヴァルダンに供え、パリクラマも行いました。そこでクリシュナご自身がゴヴァルダーナの姿をとって、みんなの前で御供物を召し上がりました。もちろんクリシュナは少年としてもそれを見守っていました。そしてゴヴァルダンの丘は同時にお返しとして、住民たちにプラサーダを与えました。これを見て、クリシュナは「このプラサーダは貧しい人や、犬たち、全員に分け与えるべき」と住民に教え、彼らはプラサーダを全員に分け与え、歌ったり踊ったりして超越的甘露に浸りました。
この様子を見ていたインドラは大変怒り、自分に対して冒涜を犯した住民の住まいに雷と豪雨を降らせました。住民たちは恐れ、クリシュナに保護を求め、まだ幼いクリシュナはゴヴァルダナの丘を左手の小指で持ち上げ、住民たちはその丘の下に避難しました。このようにして、クリシュナは七日間も住民たちを守りました。やがてインドラはクリシュナが至高主であると気づき、自分の間違いを悔い、クリシュナに許しを求めました。
ポイント4 クリシュナの優しさ
ゴーヴァルダナ・プージャは主の寛大さを思い出しながら祝う行事です。主はヴラジャヴァシたちに最も崇高の存在が彼らの元におり、他に誰も崇拝しなくて良いと寛大深く教えたのです。
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